不眠症
不眠症
加齢とともに不眠症状を呈する割合は増えていきます。寝つきが悪い「入眠困難」、途中で目が覚める「中途覚醒」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」、熟睡感が得られない「熟眠困難」などの不眠症状はめずらしいことではありません。不眠症と診断がつかない程度であっても、睡眠の質の改善を図ることで、生活の質の改善につながります。
また注意すべきことは、不眠症状の背景に、うつ病などの精神疾患がないかということです。精神科の様々な疾患は、睡眠の症状が出現することが多く、「眠れない」など睡眠の問題が一番大きな困りごととなる場合もあります。また、うつ病の初期に睡眠のみ症状が出現(不眠など)することは稀ではありません。
まずは睡眠習慣を振り返り、睡眠を悪くするような生活習慣を避けることが重要です。また睡眠のとり方を見直すだけでなく、睡眠薬による薬物療法も症状の改善に有効です。
睡眠薬は依存性が問題となりやすく、依存などの問題を起こさないために適切な使用方法で内服することが重要です。適切な使用方法で上手に薬とつきあうことで睡眠を改善し生活の質を高めることができるのであれば、けっして薬物療法を否定的にとらえる必要はありません。